前回の続き。地球温暖化による海面上昇の問題のウソとホントを考察したいと思います。
前回も書きましたが、環境問題は最新の研究でもわからないとこだらけということは忘れないでください。

(3)「温暖化によって北極の氷は溶ける。これでは海面上昇はしない。したがって南極の氷の量が変化を受けないなら、海面は上昇しない」
これは、北極と南極以外に氷が無いのならば正しいですが、実際には、グリーンランドがあります。さらに、様々な山岳氷河があります。しかも、海面上昇の最大の理由は、海水の温度上昇による熱膨張です。したがって、この問題は、不十分な前提に基づく議論。したがって、「論理が不十分なための誤り」が結論です。
(4)「温暖化によってグリーンランドの氷は溶け、海面は上昇する」
グリーンランドの氷がすでに溶け始めていることは事実です。IPCCが今年発表した報告書によれば、93年〜03年の海面上昇の要因として、海水の膨張が年間1.6ミリ、氷河の融解が0.77ミリ、グリーンランド氷床0.21ミリ、南極氷床0.21ミリと分析し、海面は2100年までに、18〜59センチ上昇するとしました。
年間2.8ミリという予測で100年分とすれば28センチです。59センチという予測は、溶解速度が速くなる可能性があることを意味しています。
結論として、「正しいが、定量的に正確な予測はむずかしい」。
(5)「温暖化によって山岳氷河が溶け、海面は上昇する」
米国コロラド大学は、体積では1%しかない山岳氷河や万年雪に着目し、今後100年間での融解量を推測しました。その結果、海面上昇への寄与率は、山岳氷河の融解が60%、グリーンランドが28%、南極が12%としました。そして、山岳氷河の融解だけによる海面上昇量が、2100年までに10〜25センチと予測しました。これは、IPCCによる山岳評価の融解の寄与予測である8センチよりも大きいです。
結論的には、「この現象は、世界各地で進行中である。したがって正しいが、定量的な評価に関しては、不確実性がまだある」。
(6)「アル・ゴアの言うような、6mもの海面上昇が起きるのか」
これは、難しい問題です。2100年まで約100年間での海面上昇を50cmだと仮定し、その後も、同じ速度で上昇したとすると、6m上昇するためには、1200年かかることになります。人類が化石燃料を使いつくすに要する時間は300年ぐらいなのだとすると、多少の慣性はあったとして500年後には地球の寒冷化が始まることでしょう。寒冷化が始まったとしても、海が影響を受けるにはさらに時間が掛かるものの、6mもの海面上昇は起きない可能性が高いです。それでも、温暖化防止策が不十分だと、2500年までに、3m程度の海面上昇が起きることは覚悟しておいた方が良いかもしれません。
100年で50cmといった上昇速度が急増する可能性はないのでしょうか。これはなんとも言いがたいです。北極海が極度に温暖化し、グリーンランドの氷の融解が急速に進むことはないと断言できないからです。そもそも、地球の揺らぎは非常に大きいので、超長期を見たとき、何が起きるか、予測はほとんど不可能です。
そこで、この問いに対しては、「起きない可能性が高いが、なんとも言えない。世界的な温暖化防止策が不成功に終わると、3mぐらいの海面上昇を覚悟しておくべきだろう」が結論です。
(7)「同じく、アル・ゴアの言うように、ツバルは地球温暖化の犠牲者なのか」
IPCCの第四次報告書によれば、過去50年間での海面上昇は、10cm程度です。ざっと毎年2〜3mm上昇といったところだと思えばよいでしょう。
この10cmの上昇が原因で、大潮の際にツバルが水没するようになったのでしょうか。完全に否定するのは難しいですが、「別の要因が無いと、あのような形での水没は起きないだろう」、と推測するのが妥当なように思えます。
別の要因としては、生活排水や砂の過剰採取によるサンゴ礁の防波堤としての効果の減少などの可能性が高いのではないでしょうか。
そこで結論は、「ツバルが地球温暖化の犠牲者だと断定するのは、かなり無理がある」。
ここまで、2回にわたって地球温暖化について世間でいわれていることの検証を行いましたが、ポイントは○か×では片付けられないということです。
行動するための正しい情報をいかに得るかが大切ですね☆

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前回も書きましたが、環境問題は最新の研究でもわからないとこだらけということは忘れないでください。

(3)「温暖化によって北極の氷は溶ける。これでは海面上昇はしない。したがって南極の氷の量が変化を受けないなら、海面は上昇しない」
これは、北極と南極以外に氷が無いのならば正しいですが、実際には、グリーンランドがあります。さらに、様々な山岳氷河があります。しかも、海面上昇の最大の理由は、海水の温度上昇による熱膨張です。したがって、この問題は、不十分な前提に基づく議論。したがって、「論理が不十分なための誤り」が結論です。
(4)「温暖化によってグリーンランドの氷は溶け、海面は上昇する」
グリーンランドの氷がすでに溶け始めていることは事実です。IPCCが今年発表した報告書によれば、93年〜03年の海面上昇の要因として、海水の膨張が年間1.6ミリ、氷河の融解が0.77ミリ、グリーンランド氷床0.21ミリ、南極氷床0.21ミリと分析し、海面は2100年までに、18〜59センチ上昇するとしました。
年間2.8ミリという予測で100年分とすれば28センチです。59センチという予測は、溶解速度が速くなる可能性があることを意味しています。
結論として、「正しいが、定量的に正確な予測はむずかしい」。
(5)「温暖化によって山岳氷河が溶け、海面は上昇する」
米国コロラド大学は、体積では1%しかない山岳氷河や万年雪に着目し、今後100年間での融解量を推測しました。その結果、海面上昇への寄与率は、山岳氷河の融解が60%、グリーンランドが28%、南極が12%としました。そして、山岳氷河の融解だけによる海面上昇量が、2100年までに10〜25センチと予測しました。これは、IPCCによる山岳評価の融解の寄与予測である8センチよりも大きいです。
結論的には、「この現象は、世界各地で進行中である。したがって正しいが、定量的な評価に関しては、不確実性がまだある」。
(6)「アル・ゴアの言うような、6mもの海面上昇が起きるのか」
これは、難しい問題です。2100年まで約100年間での海面上昇を50cmだと仮定し、その後も、同じ速度で上昇したとすると、6m上昇するためには、1200年かかることになります。人類が化石燃料を使いつくすに要する時間は300年ぐらいなのだとすると、多少の慣性はあったとして500年後には地球の寒冷化が始まることでしょう。寒冷化が始まったとしても、海が影響を受けるにはさらに時間が掛かるものの、6mもの海面上昇は起きない可能性が高いです。それでも、温暖化防止策が不十分だと、2500年までに、3m程度の海面上昇が起きることは覚悟しておいた方が良いかもしれません。
100年で50cmといった上昇速度が急増する可能性はないのでしょうか。これはなんとも言いがたいです。北極海が極度に温暖化し、グリーンランドの氷の融解が急速に進むことはないと断言できないからです。そもそも、地球の揺らぎは非常に大きいので、超長期を見たとき、何が起きるか、予測はほとんど不可能です。
そこで、この問いに対しては、「起きない可能性が高いが、なんとも言えない。世界的な温暖化防止策が不成功に終わると、3mぐらいの海面上昇を覚悟しておくべきだろう」が結論です。
(7)「同じく、アル・ゴアの言うように、ツバルは地球温暖化の犠牲者なのか」
IPCCの第四次報告書によれば、過去50年間での海面上昇は、10cm程度です。ざっと毎年2〜3mm上昇といったところだと思えばよいでしょう。
この10cmの上昇が原因で、大潮の際にツバルが水没するようになったのでしょうか。完全に否定するのは難しいですが、「別の要因が無いと、あのような形での水没は起きないだろう」、と推測するのが妥当なように思えます。
別の要因としては、生活排水や砂の過剰採取によるサンゴ礁の防波堤としての効果の減少などの可能性が高いのではないでしょうか。
そこで結論は、「ツバルが地球温暖化の犠牲者だと断定するのは、かなり無理がある」。
ここまで、2回にわたって地球温暖化について世間でいわれていることの検証を行いましたが、ポイントは○か×では片付けられないということです。
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